気紛れカラー講座「配色イメージワーク」8

今回のテーマは、絵画と配色イメージ。配色によるイメージの言葉からは少し離れますが、絵画と色彩は切っても切れない関係です。絵画がどんなイメージを与えているか、巨匠たちの絵から考察して行きます。

イメージスケールで見てみましょう。淡い色彩の印象派の❹❾の絵は、上段のロマンチックで❿のシャガールはクリアで〈ソフト〉の区分。ゴッホは〈ウォーム〉でも下段の方になり、ここにあるピカソの絵は❸の〈ダイナミック〉絵と⓯は〈クールカジュアル〉の区分になってます。こんな風に絵画をイメージで区分して行くと、画家の作品に込める思いも伝わって来るようです。

さて、今度は自然から学んだ画家たちの配色について見て行きます。

まず日本の巨匠、北斎の富士の絵の配色から。赤富士と青富士です。5色配色のイメージの違いは明確です。左側の赤富士は〈クラシック〉な配色で、右側の青富士は〈クール•カジュアル〉ですが、両方ともイメージスケールとしては、下段になってます。自然から感じた表現は、左側が〈膨張と前進〉右側が〈収縮と後退〉となっているのも面白いですね。

次は色相配色の画家たちです。

フォービズムの画家マチスの絵は、ダイナミックで賑やかなカラフルな配色の絵ですが、ここに出ているボナールやヴラマンクカンディンスキーの絵も多色の色相配色です。それぞれイメージの違いはありますが、皆〈ウォーム〉の区分になりますね。共通しているのは楽しい配色でしょうか。

次はトーン配色の画家たちです。

セザンヌの絵の配色は、濁りのある穏やかな配色でイメージスケールとしては、中央の〈ナチュラル〉に位置します。微妙なトーンの変化でリズムが生まれています。それこそ、自然を活かした風景画です。クレーの絵は抽象画ですが、この絵も穏やかなトーン変化が感じられます。ホードラーやモネの絵も、皆穏やかなイメージがあります。遠景と近景の違いをトーン変化で表現します。

という事で、今回は言葉表現から離れて絵画のカラー配色について、テキストを参考に述べて来ました。

梅雨時でまた気温の変化も激しく、体調を崩しやすいこの頃です。雨の日などは、アートの世界に浸るのも良いかと思います。皆様、お身体大切に。次回までお元気でお過ごしください。