「星の王子さま」の愛について

今年の「星の王子さま」のイベントはワークショップで、本に描かれている愛について、語り合う会のはずでしたが…残念ながら、ワークショップ実施とならず、私の独自に考察した事について、語って行こうと思います。

なんと言っても感動的な愛の場面は、王子さまが、自分の星から出て星巡りの旅をするきっかけとなった一輪のバラの花とのエピソードです。王子さまは、まだ小さくて愛するという事が分からず、旅に出ました。でもこの旅で彼は成長するんです。色んな変な大人たちや、地球でキツネなどに出会った事で。おかしな星の住人たちは、そこかしこにいる大人ですね。彼らは王子さまと全く違う人種で、友達になれない人たち。しかし地球にやって来て、出会ったキツネから仲良くなる方法を教えられ、友達になります。そして人を思う心の大切さを知るのです。それが愛なんですよね。「何事も心で見なくちゃいけない。大事なことは目に見えないのさ」と言うキツネの言葉を王子さまは心に刻みます。

そして主人公のぼく(飛行士)も、砂漠で出会った王子さまと共に、大切な事に気付いて行きます。それこそが大人になった人間が忘れてはいけない事であり、それが人を愛する事なんだと、このお話は教えてくれてると私は思います。愛とはなんでしょう。男女の愛、同性同士の愛、家族愛、友愛、人種愛と様々あり、人だけではなく、生き物への愛もありますが、全て思う心が愛ですね。

王子さまは、キツネに言われたように、約束を守るため自分の星に戻ります。一輪のバラが彼にとって、どれだけ大切な存在か気付いたからです。それが、愛するという事。しかし〈ぼく〉も王子さまを、キラキラした笑い声と共に愛したのです。その笑い声がどれだけ大切な贈り物だったのか、星の煌めきと共に主人公は思い出すのです。

今回、私桂がハッとさせられた箇所がラスト27話のラストメッセージです。

あのヒツジはあの花を食べたのか、食べなかったのか、と考えてごらんなさい。そうしたら、世の中のことがみな、どんなに変わるものかおわかりになるでしょう…そして、おとなたちには、だれにも、それがどんなにだいじなことか、けっしてわかりっこないでしょう。

この言葉が意味するものは何でしょう。それこそが、サンテグジュペリが一番伝えたかった事ですね、きっと。